作品
最後の一合・イギリス編 〜ロンドンの食卓〜
米が消えた青川市から、食の溢れるロンドンへ。篠宮家の四人が「豊穣の逆説」と向き合い、言葉を超えて「もったいない」の心を分かち合っていく、食と家族をめぐる六章の物語。
- 第1章 豊穣の逆説 米が消えた青川市から、食の溢れるロンドンへ。降り立った篠宮家を待っていたのは、棚を埋める豊かさと、その裏でゴミ袋に捨てられていくまだ食べられる食べ物だった。
- 第2章 一斤のパンが語るもの 共用のゴミ捨て場に残された、まだ食べられる一斤のパン。千代の「もったいない」が、フードバンクで働くマーガレットと出会い、言葉を超えてロンドンの台所をつないでいく。
- 第3章 世代を超えた対話 カムデンのカフェで美咲が出会った英国人高校生ジェイミー。たった一人でフードロスを記録し続ける彼と、食の哲学を探究する誠一。国境と世代を超えて、二つの探究が静かに出会う。
- 第4章 翻訳不可能な概念 「Mottainai」をどう英訳すべきか――書斎で言葉を探し続ける誠一をよそに、千代は身振りひとつでその心を伝えてみせる。翻訳できない概念こそが、最も深い対話を生むのかもしれない。
- 第5章 予期せぬ国際的反響 美咲が投稿した十五秒の動画が、世界中へ拡散していく。学術の厳密さと大衆への浸透力のはざまで、篠宮家の「最後の一合」は予期せぬ国際的反響を呼んでいく。
- 第6章 最後の朝食 帰国前日の朝、賞味期限切れの食材だけで作る英国式朝食。マーガレット、ジェイミー、そして隣人ハリントン氏を囲んだ食卓で、「最後の朝食」はやがて新しい始まりへと変わる。