プロフィール

神楽木アキ

かぐらぎ・あき · 小説家

食卓から、家族と社会のかたちを静かに描く。

神楽木アキ(かぐらぎ・あき)は、食卓から物語を立ち上げる小説家。湯気の立つ鍋や、まだ食べられるのに捨てられていく一斤のパンといった、見過ごされがちな日常の細部に目を凝らし、そこから家族・記憶・社会のかたちを静かに描き出す。

代表作「最後の一合」シリーズは、米の尽きた食卓という極限から始まり、やがて言葉の通じないロンドンの台所へと舞台を移していく。「もったいない」という訳しきれない感覚を手がかりに、豊かさと欠乏、理論と実践、世代と世代のあいだに、そっと橋を架けようとする。

思索的な主題を扱いながらも、その語り口はどこまでも穏やかだ。結論を急がず、人物たちが食卓を囲んで考え続ける時間そのものを描くことを好む。今日も、食と人をめぐる物語を書き継いでいる。

主な作品